By：ザック・アンデルード博士
この記事では、3つの生菌を定義し、生菌の相互関連性と腸内マイクロバイオームにおける健康上の利点を強調する。 プレバイオティクス、プロバイオティクス、ポストバイオティクスの基礎と、これら3つの異なるカテゴリー間の相互作用について深く掘り下げている。 ラブバイオーム製品に含まれるプレバイオティクス、ポストバイオティクス、プロバイオティクスに焦点を当て、主要な製品について比較的短い説明を掲載。
マイクロバイオームの重要性を理解するために真実を探すと、プレバイオティクス、プロバイオティクス、ポストバイオティクスという3つの用語に悩まされることが多い。 この3つの用語は、アメリカ国立衛生研究所が定義したマイクロバイオーム、すなわち「私たちの体内や体外に生息する細菌、真菌、ウイルス、およびそれらの遺伝子などの微生物の集合体」に直接関係している(https://www.niehs.nih.gov/health/topics/science/microbiome/index.cfm#:~:text=The%20microbiome%20is%20the%20collection,to%20human%20health%20and%20wellness.).
しかし、プレバイオティクス、プロバイオティクス、ポストバイオティクスについての理解は、しばしば混同されることがある。 ブログ、ツイート、業界誌は、この3つの用語を区別なく使い分け、医療専門用語を使って、健康食品に含まれる何百種類もの生体成分と非生体成分を緩やかに定義している。 さらに混乱に拍車をかけているのは、複数の健康効果をうたったプレバイオティクス、プロバイオティクス、ポストバイオティクス製品が市場にあふれ、消費者が製品を選ぼうとする際に混乱し、圧倒されてしまうことである。
残念なことに、私たち消費者が選ぶプレバイオティクス、プロバイオティクス、ポストバイオティクス製品の性能は低く、マイクロバイオームの健康は損なわれている。 プレバイオティクス、プロバイオティクス、ポストバイオティクスの区別と重要性を明確に理解して初めて、私たち消費者はバランスのとれたマイクロバイオームの力を真に活用できるようになる。
マイクロバイオームにおけるプレバイオティクス、プロバイオティクス、ポストバイオティクスの重要性を説明するために、重要な生態系サービスである受粉を例えに使う。 受粉は顕花植物の88％の生存に不可欠であり、世界の植物性食料供給の35％を支え、年間1,950億～3,870億米ドルを私たちに無償で提供している（Porto et al 2020）。 受粉と同じように、マイクロバイオームも80億人全員に存在し、食物の消化を助け、免疫システムを調整し、病気を引き起こす病原体から身を守り、気分に影響を与え、ビタミンを生成する。
プロバイオティック（probiotic）」という言葉は、ギリシャ語で「生命のために」という意味に由来し、1965年にダニエル・リリーとロザリー・スティルウェル（Lilley and Stillwell 1965）によって、「抗生物質」の正反対の意味を伝えるために作られた造語である。 プロバイオティクスとは、適切な量を投与すると宿主に健康上の利益をもたらす生きた微生物のことである（Vinderola et al 2022）。 受粉を例えるなら、花粉媒介者はプロバイオティクスのようなものだ。 世界の花粉媒介者は、主にミツバチ、スズメバチ、甲虫、蛾、コウモリ、鳥など、15,000種以上で構成されている。 同様に、プロバイオティクスとは、私たちが食べる食物や購入するサプリメントに含まれ、私たちの健康を改善する生きた微生物、一般的にはバクテリアの一種である。 一般的にプロバイオティクスは、乳酸菌、ビフィズス菌、サッカロミセス菌、連鎖球菌、腸球菌、エシェリヒア菌、バチルス菌など、市販品に最も多く使用されている7つの中核細菌属のものである（https://ods.od.nih.gov/factsheets/Probiotics-HealthProfessional/）。 プロバイオティクスとして販売されているのは何百種類にも及ぶ。 例えば、ラクトバチルス 属は一般的なプロバイオティクスであり、その属には170以上の種と17の亜種がある（Goldstein et l 2015）。
プロバイオティクスはマイクロバイオームのほんの一部に過ぎない。 一般に、ヒトのマイクロバイオームは、数兆個の単一細胞と数千の細菌種からなる細菌によって支配されている。 これらの何千もの細菌種のうち、ほとんどは有益な共生細菌であり、宿主である私たちに消化を通じて必要な栄養素を供給し、日和見病原体から私たちを守ると同時に、食物や比較的安定した環境を受け取っている。 プロバイオティクスは、食物やサプリメントとして意図的に摂取することで、宿主に無数の直接的な健康効果をもたらす。
最後に、あなたのマイクロバイオームのうち、健康な人の病原性細菌とみなされ、「悪玉」細菌とされる種はごく一部である。 あなたのマイクロバイオームとその中のプロバイオティクス種は、食事、サプリメントの使用、投薬、運動、その他多くの環境暴露によって、毎日、毎週、毎月変動する可能性があります（Rinninella et al 2019）。
プレバイオティクスに関して言えば、受粉は相互に有益な相互作用であり、受粉媒介者は花を訪れることで餌（蜜や花粉）を得ることができる。 花蜜や花粉は、例えるならプレバイオティクスのようなものだ。 プレバイオティクスは、比較的化学的に複雑な「食品」であり、宿主に健康上の利益をもたらす有益なプロバイオティクス細菌の餌となる（Vinderola et al 2022）。 プレバイオティクスは、特定のマイクロバイオームに栄養を与えようとするプロバイオティクスによって、さまざまな化学形態がある。 プレバイオティクスは、複数種のプロバイオティクスの餌になることもあれば、特定のプロバイオティクス種だけを餌にして独自の合成を生み出すこともある。
これと同じ現象が受粉にも見られ、特定の種の受粉媒介者が特定の花だけに特化したり、訪れたりする。 プレバイオティクスとプロバイオティクスの組み合わせで人間の健康を増進することをシンバイオティクスと呼び、1995年にGibsonとRoberfroidが人間の腸内細菌叢におけるバイオティクス間の直接的な相互作用を説明するために初めて提唱した。 とはいえ、すべてのヒトのマイクロバイオーム（膣、皮膚、目、耳、鼻咽頭管、口腔、消化管など）において、プレバイオティクスは家庭菜園、エキゾチックなスパイス市場、エキゾチックな野生地域、古代の供給源にある植物に含まれていることが多い。
この例えの最後の要素は、ポストバイオティクスである。 引き続き、地球上で最も多産な受粉媒介者であるミツバチの例を借りると、ポストバイオティクスは巣を養う蜂蜜に例えることができる。 ミツバチが花の蜜を酵素的に変化させ、処理するのと同じように、私たちのマイクロバイオームに存在するプロバイオティクスや有益なバクテリアも、代謝の過程でプレバイオティクスをポストバイオティクスに酵素的に変化させる。 具体的には、ポストバイオティクスとは、細菌が摂食を終えた後に残る廃棄物ではなく、溶菌または死菌の細胞構造と、宿主に直接的な健康利益をもたらす代謝産物の異種混合物である（Rinninella et al 2019）。 ポストバイオティクスの例としては、短鎖脂肪酸（SCFA）のような有益な生理活性化学物質、消化酵素、抗菌活性を持つバクテリオシン、アミノ酸、チアミン、リボフラビン、B12、Kなどのビタミン、神経活性化合物などが挙げられる。
最終的に、マイクロバイオームに影響を与えるプレバイオティクス、プロバイオティクス、ポストバイオティクスを決めるのはあなた自身だ。 多種多様なプレバイオティクスの花を受け入れ、多様なプロバイオティクスの受粉媒介者を集め、蜂の巣に栄養を与える甘いポストバイオティクスの恩恵を受けることで、マイクロバイオームを愛することをお勧めする。
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著者について
ブリガム・ヤング大学微生物生態学・生物地球化学教授。 オレゴン州ポートランドで生まれ育ち、BYU、カリフォルニア大学デービス校、ミシガン州立大学で教育を受けた。
参考文献
Porto RG et al (2020) Pollination ecosystem services: a comprehensive review of economic values, research funding and policy actions.Food Security12. DOI: 10.1007/s1257-020-01043-w
Lilly DM and Stillwell RH (1965) プロバイオティクス：微生物が産生する成長促進因子。Science147:3659. DOI: 10.1126/science.147.3659.7. DOI: 10.3390/foods11081077
Vinderola G, Sanders ME, Salminen S (2022) ポストバイオティクスの概念。 食品 11(8)：1077. DOI: 10.3390/foods11081077
Rinninella E. et al. (2019) 健康な腸内細菌叢の構成とは？ 年齢、環境、食事、病気を超えて変化する生態系。微生物7:14 DOI: 10.3390/microorganisms7010014
Gibson and Roberfroid (1995) Dietary modulation of human colonic microbiota: Introduction of the concepts of prebiotics. ジャーナル・オブ・ニュートリション 125(6). DOI: 10.1093/jn/125.6.1401
Goldstein EJC, Tyrell KL, Citron DM (2015) Lactobacillus species: taxonomic complexity and controversial susceptibilities.臨床感染症60:2. DOI: 10.1093/cid/civ072
